正風冠句文芸塔社神戸支部

<340号>




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<5月句会報>


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340号誌上吟鑑賞・選後感
自由吟 春を病み 阿吽のような言葉待つ 鞍谷 弥生 (三村 昌也 選) 戻る
    冠題の“春を病み”は身体の病いというよりは、こころの病いであろう。もう少し軽く言えば“春愁”に近いとも思える。なんとなく気怠さを感じる春の昼下り、阿吽のような陶酔を覚えるような言葉(会話)を待って(欲して)いる。春の気怠さ。
海林抄 ゆるい坂 修羅幾多抱き晩年へ 三村 昌也 (住澤 和美 選) 戻る
    人生の歳月は一瞬の間に過ぎる。かっての若き日は登り坂であった。希望に満ち明日を見据え歩んで来た。而し或る日ふと晩年の坂道を下って居る自分に気付く。心の中には、人知れぬ様々な修羅を抱き乍ら・・・・・・。冠題に即した、人生の哀感がしみじみと伝わって来る。
帆影抄 夜の香水 悲しみが闇深くする 三村 昌也 (松井 英子 選) 戻る
     香水は華やかで高尚なもの。けれどもその存在が夜には華やかさとは裏腹に色々の苦悩と憐れが現実にある。人の幸せの裏側を叙述に表現された「夜の香水」に圧倒されました。。
帆影抄 夜の香水 男はすでに囚われて 山本ひろ子 (津田千亜紀 選) 戻る
     蜘蛛の巣に掛かった昆虫は、どう足掻いても捕らわれてしまう。「香水と夜」の巣に男が掛かり囚われの身になってしまった。冠題と付け句が合い動物性の香りがします。
双樹抄 靴軽し 児をぶら下げて往く夫婦 山本ひろ子 (山崎 武彦 選) 戻る
    若い夫婦の躍動感をズバリ、現代的な感覚で表現された佳句。呉々も取扱いにはご注意を…。
双樹抄 靴軽し 夢果てしなき紺スーツ 中台 敏隆 (野口弥生子 選) 戻る
    これから始まる人生に対する夢と決意の程が伺われます。

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